今回は「なぜ新卒で絶対にベンチャー企業に就職してはいけない」のか解説していきます。近年では大企業に入るだけが就活の成功ではない風潮になっています。しかし、ベンチャーには現実的な壁が多いのもたしかです。就活で後悔しないためにあらゆる面から検討してみましょう。
就活生のみなさんはベンチャー企業にどんなイメージを持っているでしょうか。
近年では新卒採用でも大企業ではなく、最初からベンチャー企業を目指す就活生も増えてきています。
それはベンチャー企業が持っている雰囲気や風通しのよさ、独自の制度などの魅力が自由な働き方を求める現代に合っているからだと言われています。
ですが、プロ達の意見では新卒でベンチャーに入る意味や必要はないという見解が多いままです。
最近は実際に新卒でベンチャー企業に入社した人達から後悔や不満の声も多く挙がっています。
この記事では、なぜ新卒でベンチャーに入ってはいけないのか理由を分かりやすくまとめました。
就活をする時にベンチャー企業に入社を決めるかどうかの判断材料にしてください。
ベンチャー企業とは?
ベンチャー企業とは、独自のアイディアや技術によって創り出した他社にはない新しい商品やサービスを提供している企業のことです。
英語の「adventure(冒険的な)」を語源にしているとされ、新しく冒険的なビジネスを展開する企業や単純に新興企業のことを指して使います。
近年では大学発ベンチャーだけで一年間に3000社が新たに生まれているという調査結果が出ています。
新卒でベンチャー企業に就職するデメリットとは?
ここでは実際に新卒でベンチャーに行った人の声をデメリットとしてまとめたので見てみましょう。
魅力的な制度や勤務形態からベンチャー企業を目指す人が増えています。
しかし、これから就活をする皆さんに忘れてほしくないのは人の心も環境も変わるということです。
自分の力だけで社会生活を始めると金銭面、身体面、精神面の全てで想像よりも負担がかかるものです。そうなると当然求めるものも変わります。
その点では大企業の安定感とは一つの担保とも言えます。
新卒採用でどんな企業に行くのかはまさに人生の分岐点です。入念に情報を集めて悔いのない選択をしましょう。
いきなり激務で働かされる
まだ設立されたばかりのベンチャー企業では、ヒト・モノ・金・時間と全ての資源が不足しています。ですが、会社をどんどん大きくして安定させなければなりません。
そうなると自然と社員一人一人の負担を増やして生産性を保っていくことになります。
社長から末端社員まで休みなく働いているとブラック企業感は薄く思えますが、最後には心と体が悲鳴をあげて退職する人が後を絶ちません。
何よりも大事なのは健康です。よほどの理由がないのなら労働環境が整備されている企業にいきましょう。
研修・教育制度が整っていない
ベンチャー企業では社員の平均年齢が20代半ば~後半と若く、会社全体として経験が圧倒的に足りないことがあります。
また全く新しいビジネスをしているとなれば、他の会社の前例に倣うこともできません。
会社全体が激務でノウハウも確立されていなければ、新入社員に十分な研修や教育をすることは当然できません。
普通の企業では社会人一年目とは実務よりも基本的なマナーなどを覚える時期です。教育が不十分でそれらが習得できなければ、転職して他の会社に移ってからも苦労することになるでしょう。
経営が不安定
ベンチャー企業の経営は常に綱渡り状態のことが多いです。
会社の経営が綱渡りの状態自体は悪くありません。どんな大企業だって最初は小さなところから始まっています。
しかし、もしも会社の経営が傾いてしまった時、新卒採用でまだキャリアが十分ではないあなたはどうなるでしょうか?
転職活動をすることになると思いますが、新卒採用と中途採用は根本的に求められることの質が変わります。
新卒採用で企業が就活生に求めるのは素質や人間性です。成し遂げた内容よりも、そこに至るまでの努力や思考の過程を評価します。
学歴もその努力の成果の一つの指標です。
ですが、中途採用で見られるのは成果のみです。
あなたが入社した会社でどんな成果を上げたのか。そこに努力や過程の入るスキはほとんどありません。
「新卒入社した会社は3年は続けろ」という考えは、今では時代錯誤的な考えとなっています。
しかし、そのベンチャー企業に骨を埋めるつもりではないのなら、3年後の自分はどうなっているのかもう一度よく考えて企業を選ぶようにしましょう。
成長につながらない
ベンチャー企業を志望する人には、新人の頃から様々な仕事を任せてもらえるという理由から志望する人がいます。
たしかに人数が少ないベンチャー企業では新人の頃からある程度の裁量権と幅広い業務を任されることが多いです。
一年目から責任ある立場で仕事をこなせるのは成長するチャンスです。
でも実際は忙しく日々の仕事をこなしてとにかく成果を出すことに集中することになります。
仕事に追われている状況では、自分の資格の勉強やスキルアップの時間を取る余裕がありません。
その環境で成長したいと思うなら、「一の実戦から十の気付きを得る」ぐらいの心がけでいないといけません。
それが実践できなかった人達がイメージとのギャップを覚えて結果的に退職してしまいます。
給料が安い、出世できない
昔ながらの年功序列ではなく、優秀ならば高いお給料がもらえるイメージのあるベンチャー。
しかし、大半は昇給や出世が他の企業より遅い傾向にあります。
ベンチャー企業のほとんどは資金難だから…。というのが思い付く一番の理由ですが、それだけではありません。
前述のようにベンチャー企業では新人の頃から裁量権や様々な仕事を与えられる場合が多いです。では、先輩も後輩もほぼ同じ責任の中で仕事をしていたら、会社は先輩にどれだけのお給料を払ってくれるでしょうか。
つまりベンチャー企業では新人も責任のある仕事をするために、ただ与えられた仕事をしているだけでは評価の差別化が難しいのです。
よって、ベンチャーでは突出した成果を出さなければ高いお給料は望めないと思っていてください。
また少人数の会社では役職持ちを増やすことがあまり意味をなさないことが分かっているので、会社も昇進に前向きになれません。
ベンチャー企業あるあるの一つに、実力主義を掲げながらも重要な役職に就けるのは創設メンバーと実績る中途組というのがあるほどです。
いつまで経っても昇進も昇給もなく仕事にやりがいを感じなくなり、同級生との差を実感してしまった時にとても後悔するのです。
新卒カードがもったいない
最後に紹介するデメリットは新卒カードについてのお話です。人によってはこれが一番大切だと言う人もいます。
実際に就活している時には実感しにくいですが、新卒カードというのは普通では考えられないほど価値のあるものです。
実績や経験に関係なく全ての学生がどんな企業にも挑戦する権利を持ち、面接や課題をこなすだけで大企業にも入れるようなチャンスは他にありません。
その2度とないチャンスを最初からベンチャー企業だけに決め打ちして使ってしまうのは、社会人からするともったいないと感じてしまうのです。
もしも気になっているベンチャーと大企業の両方から内定が出ているならば、転職サイトなどでそれぞれの中途採用の条件を調べてみるとよいでしょう。
ベンチャー企業は中途でも人柄採用など実績以外を見せてくれる企業も多いケースがあります。
現代の自由な働き方の時代では、一度大きな企業に入って社会人としての箔を付けてから憧れのベンチャー企業に入るのも遅くはありません。
どんな人なら新卒採用でベンチャー企業が向いている?
先進的なビジネスに挑戦しているベンチャー企業はとても煌びやかな存在に見えます。
でも憧れだけではどうにもならない現実的なデメリットについて先ほど解説しました。
しかし、決して新卒でベンチャーに入ることが全て悪いと言うわけではありません。
特に将来的に独立して起業を考えている人にはとてもいい環境です。
自分の能力と会社の特性をしっかり見極められる人ならばベンチャー企業でも成功を治められるでしょう。
では、どんな人ならベンチャーに向いているのでしょうか?
ベンチャー企業のメリットと合わせて見ていきましょう。
自分の意見が通りやすい
ベンチャーのメリットで一番と言っていいほど挙がるのが、自分の意見が通りやすいというものです。
風通しの良い職場では新人の声が上司まで届きやすく、有用な意見はすぐに取り入れてもらえるケースがあります。
新人の頃から積極的に意見を出し続けることで異例のスピード出世を目指せるかもしれません。
しかし、一方でそれは望まなくても自分の意見を求められる機会が多いということでもあります。
昔から発表やプレゼンが苦手で人を主導するよりも補佐に回るほうが得意と考える方にはあまり合わないかもしれません。
責任ある立場でガンガン意見を出しながら自己管理にも自信がある人にはとても向いていると思います。
好きな仕事に就ければ満足な人
お給料や労働環境よりも自分の好きな仕事に就ければ満足な人はベンチャー企業に向いています。
企業の競争率は会社の規模だけではなく業界の人気にも大きく左右されます。
あまりにも人気過ぎる業界では関係企業に入社するだけでもかなり狭き門を越えなければいけません。
そういった場合には、少しでも競争率の低いベンチャー企業を狙って入社する選択肢はかなりアリです。
自分の憧れた仕事に従事することでお給料には代えがたいやりがいと充実を感じられるでしょう。
またベンチャー企業であっても業界で働いたという実績は転職でも武器になります。
幅広く実践的なスキルを身につけることができる。
一人の担う役割が必然的に多くなるベンチャー企業では早い段階から実践的な経験を積むことができます。
日々の雑務から経営に近い部分まで会社ではどんな仕事や問題が生まれているのかを対処法を含めて実際に体験することができます。
そういった経験を何倍にもして自分の能力に還元できる人にはベンチャー企業はこれ以上ない場所となるでしょう。
業界に関する有益な情報を得るとともに、関係者とのコネクションを作ることができるかもしれません。
もしもあなたが将来的に独立して起業を考えているなら、すぐに幅広い実践的なスキルを身に付けられるベンチャー企業は何よりの近道になってくれるでしょう。
自由な働き方が出来る
近年では大企業もベンチャー企業もリモートワークやノマドワーカーが急速に普及し始めました。
ですが、やはりこの面では大規模な管理システムを必要としないベンチャー企業に一日の長があると言えます。
クラウドやZoomなどのツールによって、よほどの事でもない限り大概のベンチャーで実現できるでしょう。
好きな環境で自分の時間とバランスを取りながら働くのは全ての社会人の理想です。
様々な誘惑に耐えながら自分のモチベーションを維持できる人ならベンチャー企業で自由な社会人生活を送ることができるかもしれません。
まとめ
今回は「なぜ絶対に新卒採用でベンチャー企業に行ってはいけないのか」について解説しました。
ベンチャー企業でも大企業でも後悔する人は後悔します。
ただ大企業ならば給与や福利厚生など自分を納得させられる部分が多いです。
今回の記事の結論としては、『ベンチャー企業に入るなら中途でも遅くない』ということです。
新卒採用という2度とないチャンスには大企業を第一志望にし、基本的なスキルや経験を積んでからベンチャー企業に転職を考える道も検討してみましょう。